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《5》ケナリ

執筆者の写真: 晴夫 沼澤晴夫 沼澤

 大学を卒業し、講師で山間部の中学校へ勤めたとき、2年女子同士のこっそりした会話の言葉が聞き慣れなれず、意味もわからなかった。


「オレよ、あの人どご、ケナリ」

 (私は、あの人を・???・)


 自宅へ帰り、母に訊いたがわからず、明治生まれの祖母が「聞いたことがある」とそのニュアンスを教えてくれた。

 


【ケナリ】…「うらやましい、妬ましい」という意味。

 そもそもは「異(け)なり」なのだと言う。

 大っぴらに人を羨む、妬む言葉は聞かれなくなったが、その分何か闇が深い気がする。


 思い切って「ケナリー」と叫んだ方が健全だ。

 
 
 

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