大学を卒業し、講師で山間部の中学校へ勤めたとき、2年女子同士のこっそりした会話の言葉が聞き慣れなれず、意味もわからなかった。
「オレよ、あの人どご、ケナリ」
(私は、あの人を・???・)
自宅へ帰り、母に訊いたがわからず、明治生まれの祖母が「聞いたことがある」とそのニュアンスを教えてくれた。
【ケナリ】…「うらやましい、妬ましい」という意味。
そもそもは「異(け)なり」なのだと言う。
大っぴらに人を羨む、妬む言葉は聞かれなくなったが、その分何か闇が深い気がする。
思い切って「ケナリー」と叫んだ方が健全だ。
Comments