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  • 執筆者の写真晴夫 沼澤

「羽後町の伝説」を読む(その3)

 今回は「和尚塚」という話です。

 舞台は、この写真でわかる方もいらっしゃるかもしれません。


 

 来年には移転する羽後消防署の裏手になります。



 伝説のダイジェストはこうです。

 

 昔、「大潜(だいせん)」という托鉢修行を続けている和尚が、西馬音内にやってきたとき、川の流域では毛ダニに刺されて命を落とす者が多かった。困り果てた村人を救うために、和尚は「無益退散(むえきたいさん)」と毛ダニ撲滅をかかげて祈祷を続けた。


 断食をしながら続けて命を落としたという説と、大潜和尚自ら「即身仏」になるために深い穴を掘り、成仏したという説がある。和尚の徳を讃え、その供養のため村人たちは西馬音内仲町に塚を立てた。


 この和尚塚があるために、元城と西馬音内に生まれた人は、たとえ毛ダニにさされても決して死なないと言われてきた。のちに温泉が湧き出て薬湯になり有名になったとも伝えられている。


 

 雄物川流域での毛ダニ(ツツガムシ)の被害はよく知られています。

 周辺には似たような厄病退散の社などが多いようです

 様々な厄災に対する祈祷の逸話はたくさんありますが、こうして何かの形に祀られるということは人々の信頼の厚さを物語っているでしょう。


 

「即身仏」つまり「ミイラ」ですね。

 この話も猟奇的なことではなく、ミイラは世界中にあり、その土地その土地で様々な云われを持つものと思われます。


 今や観光資源的な捉え方が大きいでしょうが、本来の意味では神社仏閣以上に信仰や命の価値などを考えさせてくれる存在ではないでしょうか。

 

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