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執筆者の写真晴夫 沼澤

「羽後の子ども」第13集より

 昭和57年度は、500円硬貨発行、東北新幹線開業と全国的にも大きな変化のあった年でした。


 町内では、秋には田代・仙道地区の県営ほ場整備事業が完成し、飯沢鈴木家住宅の修復工事も完了しました。

 冬になって12月には羽後町商工会館の竣工があり、翌年1月に上到米小学校の新校舎も竣工されました。

 

 家庭の暮らしも徐々に豊かさを増していったと思いますが、まだ素朴な生活が息づいていたし、学校での出来事はある意味で、秩序だっていた頃のように思います。




 

 子っこうさぎがしにました

            上到米小1年

 

先生。

子っこうさぎが

しにました。

うまれたばかりなのに

すぐしにました。

土をほって、うめました。

 

あなの下に

大きな石がありました。

いたそうだったので

もみがらを

いっぱいしいてあげました。

土をかぶせるときも

いたそうだったので

もみがらをいっぱいかけてやりました。

 

先生。

子っこうさぎは

青いかおをして

ねむっていましたよ。

  

◆「子っこうさぎ」はひと時この世に生まれ、すぐに亡くなってしまった。うさぎは何も残してくれなかった。ただ、もみがらに込められた優しさともに、土の中でずっと眠っている。その思いを想像する時間はずっと残り続ける。



 

  テスト

 

        三輪小5年

  

テストがはじまった。

みんなの目が

つり上がってくる。

さっそく問題をにらんだ。

そしたら、問題に

かおをしかめてにらみかえされた。

カリカリ カリカリ

みんなのえんぴつの音

そんな音を聞くと、

あわててしまう。

問題が

「ざまーみろ。」とばかにする。

言い返すように、あわてて解く。

カリカリ カリカリ

その音が

のうみそにあなをあける。

ひそひそと

話し声が聞こえる。

 

テストを

先生のつくえにだした時、

わたしの頭の中に、

いろいろな点数がうかぶ。

 

 

◆インクで書かれた文字が「問い」の形になって、攻めてくる。ここに守りはなく、頭脳と鉛筆を武器にただ相手を倒すのみ。限られた時間での勝利を目指して、机上の戦いは幕を閉じた。さて、目前の敵を全部倒し終えたのか、君は。

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