《31》ウダデ
- 晴夫 沼澤
- 8月4日
- 読了時間: 2分
方言が古語の訛りであることは珍しくはない。
ふだんはその事実に気づかず使っていることが多いので、何かをきっかけに(といっても、こうした話題になることは稀だが)、それを知ると驚く。
オラホでは、この語なども案外知られていないだろう。
【ウダデ】…「ひどい」「嫌だ」「うっとうしい」などの意味で使われる。
精選日本語国語大辞典によると「うたて」という語は「物事の度合いが異常に進んではなはだしい意を現わす。なぜか非常に。ますますひどく。いよいよただならず」という意味で、「気持ちの負担」「否定的な方向に進んだ異様な気持ち」や「なげかわしい」などにも用いられている。
「今年のヌグミなば、ほんとぇウダデなや。エアコンつけにゃば参ってしまうデャ」
(今年の暑さは、本当に我慢できないくらいだな。エアコンつけなければ、参ってしまうよ)

「明日アル会議、ウダデぇー。誰もナエも言わにゃくせして、アドガラいろいろクチャベル人だぢばかり集まるがらよー」
(明日開かれる会議は、本当に嫌で面倒だなあ。誰も(会議では)何も言わないのに、終わった後でいろいろと話し広める人たちが集まるからなあ)
「ウダデ」は、いい言葉とは言えない。
共通する感覚があるような場合、そうした事物や事件などに遭遇した時などに限ったほうがいいかもしれない。
ふだんからあまり多用すると、いつも口説いている者というイメージもつく。「あいつと一緒にいるのがウダデ」という状況になるのは避けたいものだ。
しかし、今の世界中を見回すと「ウダデ奴」はいっぱいいる…と言いたくなる。
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