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  • 執筆者の写真晴夫 沼澤

「羽後の子ども」第12集より


 昭和56年度は、4月に西馬音内盆踊りがサンフランシスコ桜祭りに参加しました。

 夏には田代地区で牛の三つ子誕生し、町内初と話題になりました。


 10月にコミュニティセンターの完成し、翌月開館しました。

 11月には西馬音内の岩本団地の分譲が開始されました。

 冬2月に東北電力(株)羽後変電所が長者森に完成しました。


 この2編を取り上げました。

 どちらも、「心」がとても強く感じられる作品です。


 

   げんこつ

         西馬音内小2年

 

あさ、教室の中に

立たされた。

「なぜこんなめにあうんだろう。」

そのとき、なおきちゃんが、

ぼくをふんづけた。

ぼくも、なおきちゃんを

ふんづけたいなあ。

けれど、先生がいっていた。

くやしいときは、

げんこつをにぎってかじれと。

ぼくは、げんこつを

おもいっきりかじった。

 


◆わけがわからないけど、立たされることをしてしまった「ぼく」。なにもしていないのに、なおきちゃんにふんづけられた「ぼく」。その気もちは強くにぎりしめた「げんこつ」だけが知っている。今「ぼく」のげんこつは、どれだけ堅くなっているのだろう。

 



 

  母へのプレゼント

         羽後中学校1年


あのな 母さん

セーター 編んだんだ

 

ほんとは 太い糸だったども

何回もほごしているうぢ

細い糸になってしまった ごめんな

 

ほんとは 白いいとだったども

手さ汗かきながらやってたば

灰色になってしまった ごめんな

 

ほんとは 青の線入れるつもりだったども

本見だってなんもわがんねがったがら

やらねでしまった ごめんな

 

でも これでいいべ な

がまんしてけれ

早く 着てみれ

きっと 似合うよ

 

 

◆プレゼント(present)には贈り物を著しますが、「今、現在」という意味もあります。上手にいかなくとも、見栄えが悪くとも、母親に着てほしいという心からの願いと言葉が、貴方の「今」を輝くものにしている。



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