「羽後の子ども」第46集より
- 晴夫 沼澤
- 15 分前
- 読了時間: 2分
「羽後の子ども」第46集(2015年度)から、小学1年生と中学3年生の詩を紹介します。
言うまでもなく、複数の小学校・中学校の閉校があった年度です。
この地域文集の休刊もそれがきっかけとなったことは確かです。
しかし、子どもたちはその年も変わらず元気で、その子なりの成長を見せて歩んでいました。
その年度町広報のPDF版はここからご覧になれます。
くちぶえご
田代小1年
「ピュッピー」は
「ハロー」
「ヒュルヒュー」は
「おはよう」
「ヒュヒュヒュヒュルー」は
「こんにちは」
「ヒュルルルルー」は
「さようなら」
ともだちどうしのひみつのあいさつ
たのしいな
ひみつはたのしい
まわりの人は「ふしぎだな」ってかお
でも、なかよしにはつうじるよ
みんなもつかおう
それじゃあ
「ヒュルルルルー」
◆ひみつを共有できるって楽しいことだ。そんな「ひみつ」が、あの時あの場所であったことをいつか思い出すかなあ。そのきっかけを、この文集が作ってくれたらいいなあ。

どよめく
羽後中3年
どよめく
体育館全体がどよめく
俺の知らない巨大な動物の吠える声だ
このどよめきは まるで
自分の立ち位置に立つ
音楽は俺らを待たない
俺らのとまどいもためらいも緊張も
なにもかも無視して
強烈なツービートを刻み続ける
追いつくしかない
俺は大きく息を吸い
走り出しそして空中で一回転
もっともっと凄いのをテレビで見ているくせに
すげえ拍手だ
どよめきはますます大きくなり
俺らにできないことはないって気にさせる
何回練習しても失敗していたのに
みんな
軽々とクリアしていく
もう俺らには
なにかが取り憑いているよな
何かは知らないけど
(略)
◆どよめきに火をつけられて心がもえて、体が突き動かされる瞬間を切り取って表現している。この詩も、その場その時しか味わえない感動を、いつかの日に残そうと綴られたに違いない。
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