top of page
  • すぷりんぐぶろぐ
  • X
  • Facebook
検索

「羽後の子ども」第45集より

  • 執筆者の写真: 晴夫 沼澤
    晴夫 沼澤
  • 5 分前
  • 読了時間: 2分

 残りわずかとなってきました。

 「羽後の子ども」第45集(2014年度)より、小学生の詩2編を紹介します。

 

 

 この2014年度は、消費税8%の引き上げから始まりました。

 学校統合への準備が本格的に進められた年でもあります。

 

 その年度町広報のPDF版はここからご覧になれます。

 

 

 

 はじめてバッターボックスに立った日

 

             元西小3年  

 

(略)

かんとくが

「代打、健太」

と言った

むねはドッキン

頭の中はまっ白

心の中はまよっていた

どうしよう、ぼくには無理だ

きんちょうする

ドキドキドキドキドキ

でも、うれしい自分もいる

「いつか出たいなあ。」と思っていた

 

ゆっくり

ヘルメットをかぶって

バットを持って

バッターボックスに向かった

ベンチにいる時とはちがうけしき

ピッチャーって

思ったより遠くにいるんだなあ

はじめてのバッターボックス

球には当たらなかったけどかんとくは

「バットをふった」

とほめてくれた

 

いい一日だった

  

◆「はじめて」の日。「はじめて」にどう向かったかは忘れられないこと、それを言葉にしておくことはとても大切だ。読み返すたびに、その時の自分と向き合えるからだ。どんなふうに感じ、考えているかを今の君に訊きたい。


ree

 

 

 

 

  冬が来た

        西馬音内小6年 

 

(略)

ザァー ザァー 雨が降る。

それがどんどん固くなり、

あられが パチパチ音を鳴らして降ってくる。

寒いから、家ではストーブに、火を点ける。

いつもより さらに暖かい

 

外の景色は どんどん白くなる

 

音を立てずに 雪が降る。

雪が どんどん積もっていく

いつの間にか 銀世界。

土をかくし 草をかくし

大地を 白くそめる。

 

ぼくが付けた 足跡も、

いつの間にか 消されていく。

 

数日経つと、

ぼくの身長を超えて 高くなる。

白いかべが 出来上がる

 

そのかべを どんどん越えて

ぼくは

学校に たどり着く

 

 

◆毎年やってくる、冬そして雪。ここに住む人々は、毎年それを越えて生きている。「ぼく」もその一員であり、そこに足跡を記していく。冬は思いを深める季節だからこそ、しっかり歩きたい。

 
 
 

コメント


bottom of page