「羽後の子ども」第44集より
- 晴夫 沼澤
- 5 分前
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「羽後の子ども」第44集(2013年度)より、小学生・中学生各一編を紹介します。
2013年度。あの大震災から3年目、TVでは「あまちゃん」が放送され、プロ野球の東北楽天が優勝した年でもありました。
その年度町広報のPDF版はここからご覧になれます。
もう一人の友達
仙道小5年
かげ。かげ。かげ。
どんなことをしてもまねをする。
話しかけても答えてはくれない。
ぼくの友達。黒い友達。
晴れの日はいつでもいっしょ。
でもなぜか雨や曇りだといなくなる。
きっとお出かけだろう。
でも、晴れの日になると帰ってくる。
ぼくの友達。黒い友達。
かげ。かげ。かげ。
◆誰にも必ずいる友達。離れても絶対にもどってくる。かけがえのない存在。ある時、きっとその「友達」は話しかけてくる。その時、君はまた新しいコトバを見つける。

霜月と小さな命
羽後中2年
空の上から散りばめられた
小石ひとつに満たない
白い輝石
無数に散りばめられた輝石のひとつひとつが
まるで天使のように
舞い降りた
僕は
夜空を笑わせようと試みたが
夜空はちっとも表情を変えない
そっぽを向いて一歩踏み出しかけたとき
周りで天使が
微笑んでいた
だから舞い降りた天使たちは
自らの命とひきかえに
白銀のパズルの一ピースとなって
絶え間なくその身を捧げていた
天使たちは
決して嘆こうとはせずに
◆季節の変わり目を自然からの祝福ととらえれば、どんな命も輝いて見える。だから光ある世界に僕らは暮らしているのだろう。様々な事象から「命」をもらっていることに気付けば、感謝はより強まる。
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