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「羽後の子ども」第37集より

  • 執筆者の写真: 晴夫 沼澤
    晴夫 沼澤
  • 7月25日
  • 読了時間: 2分

 町文集「羽後の子ども」第37集(2006年度)より、詩作品を紹介します。

 

  年度初めから防災行政無線通信施設や特別養護老人ホーム「たかせ」が完成し運用開始をしました。地域包括支援センターも設置 されました。


 役場有志職員による庁舎のイルミネーションも始まりまったのは、この2006年冬からでした。


 その年度町広報のPDF版はここからご覧になれます。


 

 

     さんぽ

          三輪小2年

 


おねえちゃんと

さんぽしたよ

歌をうたいながら

さんぽしたよ

手をつないで

お父さんのいる

はたけめざして

道ばたで

ねこじゃらしをとって

毛虫ごっこをして

あそんだよ

手の中ににぎって

キュッキュと

出したり引っこましたり

本当の毛虫みたい

「そうだ

 この毛虫で

 お父さんを

 おどろかそう。」

 

毛虫をもって

はたけまで

走った

お父さんのうしろで

キュッキュと

手から出したらー

びっくりした顔でふりむいたよ

 


◆姉妹が仲良く歩いている姿が見える。畑までの道は、まわりの草も花も虫も喜んでいるように思えてくる。二人のいたずらにおどろくお父さんの顔、そのあとの笑い声まで聞こえるようだ。

 

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  心のトビラ

           三輪中2年 

 


私は感情を出さなくなっている

 

人前で涙を流すことが少なくなる

思いきり笑うことがなくなる

ただ目の前にあるものを

感情を出さずに見ている

 

弱くなっていく錆びていく

私の小さな心

感情は顔に出さず

心の奥に沈める

 

相手を絶対に信用しない

心を開くこともしない

心に重いトビラを付けて

外に踏み出すことは

しない

自分が考えているほど強くない

私の小さな心

ちょっとしたことに悲しみ

大きく深い傷をつくり

陰で涙を流す

 

そしてちょっとしたあたたかい言葉で

深く暗い傷を

癒してもらうこともできる

 

 

◆弱く錆びついた小さな心を、ありのままに表現できることは、実は自分はそこに留まってばかりいないという証明でもある。重いと感じている「心のトビラ」の開け方もしっかりヒントはつかんでいる。

 
 
 

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