「羽後の子ども」第33集より
- 晴夫 沼澤
- 6月25日
- 読了時間: 2分
「羽後の子ども」第33集(2002年度)からは小学生1名、中学生1名の作品を紹介します。
4月より学校の完全週5日制が実施されました。
主な出来事は、広報紹介をご覧ください。
高瀬ケアセンターがオープンしました。仙道支所がそこへ移転し、明治支所もJAうご内へ移りました。
田代・仙道地区の携帯電話が使用可能になった年でもありました。
家庭訪問
三輪小5年
友達と遊んでいた
まどから先生の車が見えた
ドキッ
近くの友達の家に行ったようだ
友達は遊んでいる
まどから先生の車が、また見えた
ドキッ、ドキッ
となりの家に来たようだ
ぼくはなんだか、落ち着かない
そろそろ家から出よう
友達をさそって、いそいで下に
その時
先生が立っていた
脱出は失敗
◆担任の先生が家へ来る。年に一度のこの緊張感は、何かで簡単に紛らわせるものではない。その心には不安だけでなく、期待も入り混じっているから、決断が鈍っていく。だから「失敗」するのだ。

その瞬間を刻んで
高瀬中3年
来る
私にタイミングをつかませるように
まばたきする間もない
短い時が
さらに何億分の一に分けられて
刻まれて
迫ってくる
それを待つ自分が
そこにいた
その一つ一つにふれていくように
遅れる
間に合わない
もどかしい自分が
イラ立ち
あせって
打てない自分が
解らず
進まず
できない自分が
情けなかった
とにかく振った振った振った
短い時が一つになって
その時すべてが
かみあった
なにが自分の中で
違っていたのか
ピンポン球とともに
とらえたのだ
そして
ただ流されている自分に気がついた
来る
それは必ず来るだったら
これからおこる出来事を
変えていくのは自分
自分がこれからを作っていく
自分の中にあるすべてで
とらえる目
感じ取る感覚
こめる一心の思いで
向かっていきたい
(略)
◆息をつめて集中する瞬間に、フル回転する心と身体。高速な思いや決断が身体のなかで駆けまわりながら、次の球を待っている。スローモーションのように弾けていく今が愛しい。
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