昭和62年は夏に集中豪雨のため、大きな被害(田代・仙道地区を中心に約10億円の被害)が出ました。
12月には田代保育所が竣工されました。またこの年度をもって、県立羽後高等学校高瀬分校が閉校となりました。
五輪坂の県営農地開発事業が完成し、農業振興シンポジウムを開催されたのも、この年度末でした。
あんこもち
上仙道小2年
ばあちゃんが
「もぢできだど、ほれ食べれ。」
といってあんこもちをくれた。
はしでつかんで
はでぐっとかんでひっぱったら
ごむみたいにのびた。
もっと引っぱったらポチンともげて
あごのところにぶらさがった。
口の中に入れてかんだら
ねっぱねっぱしてはにひっかかった。
ひょっとこのように口をまげて食べたら
うちの人たちは
ぼくを見てわらった。
食べてからかがみを見たら
赤おにの口のように口のまわりに
あんこがいっぱいついていた。
◆もち米を炊いて、もちをついて、あんこをつくって、まぶして…家の人みんなで仕上げたあんこもち。「うまい」とも「おいしい」とも書かないが、たまらなくその味が伝わってくるのはどうしてだろう。昭和のおわりころ、まぎれもない「家族」の姿が見える。
風
三輪中1年
ほんの少しの空き地は
もうすっかり枯葉色にそまり
柿の木には
柿の実だけが
肩を寄せあっている
冷たい秋の風が耳もとに話しかけてくる
「こんにちは、また今年もきましたよ」
そう、私はこの風を知っている
去年も通りすぎていった風
無言のまま
一枚の紅葉を
私の肩に残していった風
今年は中学生になって
深く沈んでいた心を
そっとなぐさめていった
あの風は
また来年もくるのだろうか
そしたら 名前をつけてあげたい
◆「私はこの風を知っている」という感覚は、自分にしかない。移ろいゆく景色は、一瞬一瞬の風により、ほんの少しずつ姿を変えていった証拠でもある。同じように、自分も常に変わっているけれど、めぐる季節で出会う風に懐かしさを感じるのは何故だろう。
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