《44》ユキユキデァ
- 晴夫 沼澤
- 2 日前
- 読了時間: 2分
擬音、擬態語といえば宮沢賢治の名前が浮かぶ。方言でそうした語は多くあるが、だんだんと使われなくなっている現実がある。
表現の画一化が進むのはちょっとばかり悲しい気がする。
自分の身体や心の状態をよく言い表していると感じるのは、オラホだけでなく、全国どの地方にもあるだろう。
【ユキユキデァ】…「ふらふらする」の意味。
「揺れ動いている」様子を表す擬態語であり、主として自分の心身状況を示すときに使う。しかし、自分から見て他者などがゆらゆらしているような状態を指す場合もある。

「あまりええ湯っこで、ずっと浸かっていたば、あがったとだんに、ユキユキデァぐなってしまったおだ。」
(あまりいい温泉なので、ずっと入っていたら、あがったとたんに、ふらふらしてしまったよ。)
「向ごの家の嫁さん、遊びにいぐどころなんだが、さっきワラシたぢと一緒にユキユキって出てったけど」
(向かいの家のお嫁さん、遊びにいくのかな、さっき子供たちと一緒に嬉しそうにゆらゆらしながら出かけていったよ)
二つ目の例は、女性の体型的なニュアンス(太っている)や「うきうき」といった心情予想も入り込んでいるだろうか。個人的な訛りといえるのかもしれない。
似た発音の語に【エキエキデァ】がある。県内では【ユキユキデァ】と意味として使う地域もあるそうだ。
ただ、これは「息苦しい」を意味する語として『秋田のことば』(無明舎刊)に見出しとして載っている。聞いた記憶はあるのだが、実際に使ったことがあるかというと、心許ない。
擬態語や擬音は、感覚と結びつくだけに発音が微妙になるのは仕方がない。






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