《43》トゼネァ&
- 晴夫 沼澤
- 12月7日
- 読了時間: 1分
歳末が近づくと、慌ただしさと裏腹に心淋しくなる気持ちがよぎる日もある。そんな時によく使うオラホのコトバがある。
齢を重ねてくると、この語の響きがまた心に沁みてくる。
【トゼネァ】…「淋しい」の意味。
「退屈だ」という意味も含まれると、いろいろな関連本に記されているが、個人的にはそんな感覚はほとんどない。
【トゼダ】も同じように使われるし、こちらの方がやや「退屈だ」というニュアンスが感じられるかもしれない。
この「とぜ」とは「徒然(とぜん)」であり、「なすこともなく退屈なこと」と広辞苑にある。あの「徒然草」のつれづれということでもある。

「こごらあだりも、空き家ばがり増えてきて、まんちトゼネぐなってきたなあ」
(この辺りも、空き家ばかりが増えてきて、とても淋しくなってきたね)
近い意味を持つ語を思い浮かべると
【タチポシネァ】や【サビシネァ】がある。
【サビシネァ】は「さびしい」「さむい」からだと容易にわかるが、【タチポシネァ】は「心細い・不安」という感覚が強くなる。語調を整える接頭語「た」をつけて、「た気細い(きぼそい)」からではないかと推察している資料もある。『湯沢・雄勝弁あれこれ』(根本俊夫)






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