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《35》タネル

  • 執筆者の写真: 晴夫 沼澤
    晴夫 沼澤
  • 8月27日
  • 読了時間: 2分

 以前のように大家族で祖父母から孫までが同居していた時代は、テレビなどの影響があっても日常語はオラホのコトバがずいぶん家中に響き合っていたはずだ。


 若い人たちの核家族ではもちろん、高齢者の二人暮らしなどであれば会話頻度が少ないし、日常語として消えゆく方言は多いだろう。

 

 今朝、ある冊子を読んでいて、直接このコトバは出てこなかったのだが、ふと思い出した。

 

【タネル】…「探す」の意味で使われる。

 

 手元にある『秋田のことば』(無明舎刊)や『秋田語の教科書』(三文社)には、見出し語として取り上げられていなかったが、『秋田の湯沢・雄勝弁あれこれ』(イズミヤ出版)、『東由利の方言』(東由利町教育研究所)には載っていた。


 

「このミャから、メニャグしてしまった耳かきよぉ、タネデだば、戸棚の上さ、あったけだぁ。エガッタぁ」

(この前から、見えなくしてしまった(なくしてしまった)耳かきを探していたら、戸棚の上にあったのよぉ、良かったあ)

 

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 ただ「探す」「探し求める」以外にも、こうした言い方があることを思い出した。


 「明日の会のやり方なば、ムゴの家の父さんさ、タネデみればエベタ。」

 (明日の会の進め方なら、向かいの家の父さんに、訊いてみたらいいよ。)


 つまり【タネル】は「探す」「探し求める」以外にも、「訊く」「尋ねる」という意味を持つ。

 

 昔、祖母が教訓的に(省)よく使ったように思う。例えば

「オワでワガラネば、人さタネデみれば、エナだ」

 (自分でわからなかったら、人に尋ねてみれば、良いのだ)

 

 【タネル】は「たんねる」(「尋ねる」の変化した語)から変化したと考えられる。関西方面でも使われているという。

 
 
 

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