《33》ソラネ
- 晴夫 沼澤
- 8月19日
- 読了時間: 1分
一般的な語と訛りがくっついているために、なんとなく秋田弁のように捉えてしまうことは、調べてみると結構多いかもしれない。
例えば、オラホでよく使う(使う者は頻繁に使うはず程度の意味)コトバに、これがある。
【ソラネ】…「~~した気がしない」「~~に集中できない」といった意味で使われる。
これは「ソラ+ネ」つまり「空+無い」であり、この場合の「空」は「心。気持。下に否定の表現を伴って、その行為に伴う不安な心境やうつろな心を表す。~以下略~」(日本国語大辞典)に該当する。

実際の使用場面は、いくつかの行為(動詞)に限定されるように思う。代表的な例として二つ挙げてみる。
「アンダがだ、あまり喋ってうるしゃくて、テレビで野球見ででも、見だソラネ」
(あなたたちが、あんまり喋ってうるさいので、テレビで野球中継を見ていても、集中できず見ている気がしない。)
「アンタエ立派なレストランなば、緊張してしまって、食ったソラネがった」
(あんなに立派なレストランでは、緊張してしまい、十分に食べた気がしなかった)
「空」は、日本語として多様な意味がある。
よく「上の空」とか「空泣き」のように、否定的、欺瞞的、放心的な使われ方もするので、ニュアンスとしてはそちらに少し寄っているのかもしれない。
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