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《26》ショー

  • 執筆者の写真: 晴夫 沼澤
    晴夫 沼澤
  • 7月2日
  • 読了時間: 2分

 家族内での「オド(父)」「アバ(母)」「アンコ(兄)」「アネッツッア(姉)」などは、年配者以外はほとんど聞かれなくなった。

 近所や親戚との直接的な触れ合いも減少しているだろうし、それだけ親しみめいた語が利用されなくなったのは当然だろう。

 

 オラホでよく使われた一つの語がある。

 

【ショー】…「君」「お前」といった第二人称として使われるが、多くは呼びかける場面であり、混ざったようなニュアンスがある。表現上に親しみが感じられる。

 

「ショー、こっちさ来てネマレ」

(おい君、こちらに来て座りなさい)

「ショーなば、今度の選挙、誰さ入れるつもりだけな」

(お前なら、今度の選挙で誰に投票するつもりなのかな)

 

 こうした使い方が、きわめて地域限定であることは、『秋田のことぱ』(無明舎出版)の「言語地図97」(P902)でも明らかだ。

 

 これだけ、湯沢雄勝全般とその周辺農村部に使用が限られているのは珍しいと言えるだろう。

 現在、使用されそうな場面を予想してみると、「高齢者の同級会」が挙げられるかもしれない。

 

「ショーなば、たいしたもんだな」

「ナエモダ、ショーだって同じダベッタ」

「マンズ、俺ダノ時ナバ、ナエダテヤラシェラレダガラナ。ンデニャガ、ショー」

 

 また使われ方としては、語尾的に添える「シャー」と混同しているような場合も見られる。

 
 
 

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