《24》モヘ&
- 晴夫 沼澤
- 6月9日
- 読了時間: 2分
時代と共にコミュニケーションの仕方が大きく変わってきている。
直接的な接触が遠ざけられたのは、別に感染症予防が徹底したからではないだろう。様々な要素が絡み合って、今のような状況になっている。
集団で集まり遊んだり、おしゃべりしたりする場が少なくなってきて、こんな語もあまり使われなくなった。
他者の評価、それから自分自身の気持ちにも、そういう部分が減少してきたということか。
【モヘ】…「おどけ」「おだて」を意味する。『秋田のことば』(無明舎出版)には「煽動」と記されていた。

自分の周囲では、こんな言い方をよくした。
「いつまで、モヘタゲデ踊っているなだ。あどもうビャッコで終わる時間になってしまうど」
(いつまで、おだてにノッテ踊っているのか。あと少しで終わる時刻になってしまうよ。)
【タゲル】は【タガル】(集まる・つく)の訛りか他動詞か。「モヘタゲ」(おだてにのりやすい者)という語が、自分の周囲でよく使われていた。
様々に派生する語を生んでいる。
【モヘショウ】…「おだてにのる」
【モヘショワセル】…「おだてあげる」
【モヘラガス】…「おだてる」
【モヘコグ】…「おどける」
「モヘ」の語源は、「乗せる」の名詞化「乗せ」が変化したという説や、「おもしろい」が音変化した語だという説がある。
「おもしろい」は【オモヘ(シェ)】という言い方をするし、それが繰り返されることで短縮して「モヘ」になったという状況は想像できるなあ、とオモヘがってみました。
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