《20》クサレタマグラ&
- 晴夫 沼澤
- 5 日前
- 読了時間: 2分
人と人との付き合い方が難しくなった。
様々な目標達成や成果を求めて効率化を進めることは、時代の流れとは承知しているが、反面余裕のなさが心を追い詰めていると感じる時もある。

昔は、職場でも地域内でも、こんな存在がいた。
【クサレタマグラ】…「何にでも口出しする人」の意味。
「腐れたまくら」ということで、「たまくら」は鋤や鎌の柄を締める鉄製の輪。それが腐れれば、どんな柄にもはまるが結局は役に立たない。
「こごの家のごどナエも知らねくせして、アダノコダノって、あんたなばほんとにクサレタマグラだな。」
(ここの家庭のことを何にも知らないのに、ああだこうだと言って、あなたは本当に何でも口出しする人だな)
【アダノコダノ】は「ああだこうだ」の意。【アダコダ】になると「あれこれ」という意味で使う。
もちろん、今の世の中ではもっとも嫌われるタイプの一つであろう。
仕事では分業化や専門化が進んでいるし、日常生活でも濃密な関係を築くのが難しい昨今である。
だからこそ、おせっかい的な人間味をそこに感ずる。
思わず口を出してしまうことさえ、憚られる世の中は健全なのだろうか。
「無理・無駄・見栄」の象徴的存在を表すようなクサレタマグラ…今となっては、やや愛しく思えてくる。
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