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執筆者の写真晴夫 沼澤

「羽後町の伝説」を読む(その1)


 第一回目は冊子の順番通りに「浦田山の千両箱」を取り上げます。


 浦田山というと、かつて羽後高校や西馬音内、元西小学校がスキー学習を使った地として記憶している方も多いでしょう。

 実際に住所を調べてみると「西馬音内堀回浦田山」であり、元西の西馬音内城址(梺)が背負っている山を指すようです。

 しかしお話から考えると、やはり西馬音内小松地区周辺まで広範囲にとらえた方がいいかなと思いました。




 伝説の概略はこうです。


 小野寺の殿様が戦に敗れたとき、一軒の農家に恐ろしい顔の武士が逃げ込んだ。

 二人の兄弟が世話をして逃がしてやってから数日後、武士は二人の夢枕に現れ「浦田山に千両箱を隠してある」と語った。そして半分は家臣の供養に使い、残り半分を村人達とお前たちにやると言って消えた。

 言われた場所へ出向いて掘り起こした千両箱を、兄弟は約束を破りひとり占めしようとした。その時小判の袋に槍が刺さり、小判は人の骨に変わってしまった。

 二人は腰をぬかして家へ帰ったが、頭がおかしくなったり、体が弱ったりして、とうとう死んでしまった。

 その後、千両箱は見つかっていない。

 

 こんな筋でした。欲に目がくらむと…という逸話になっているようです。

 

 さて、ここでは「千両箱」について取り上げてみましょう。 

 一両の価値ですが、長い年月使われた貨幣で、時々によってずいぶんと差があるようですね。検索すると4万円から十数万円まで出てきました。

 仮に10万円きっかりと考えると、千両で一億円ですね。

 今の世の中だと、「宝くじ」レベルですので、二人の気持ちもわかりますね。


 もしかして、本当に千両箱が埋まっているとしたら…と考えるだけで楽しいですね。


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