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  • 執筆者の写真晴夫 沼澤

「羽後の子ども」第15集より


 昭和59年(1984)は、7月「まごころ秋田キャンペーン」の一環として、盆踊りを東京上野で披露し、町のアピールを行いました。9月には金易二郎名誉九段(将棋)の頌徳碑が五輪坂に建立されました。


 全県的な話題として、夏にインターハイがあり、水稲新品種として「あきたこまち」が登場したのもこの年です。12月に町として「非核平和の町」を宣言しました。

写真は、あきたこまち米袋(当初)




 

  かれは

         田代小2年


 

木にはっぱがなくなってきた。

ほねだけになって、

おばけみたいだ。

ヒュルヒュルと風にゆられて

はっぱがおちる

けんかしたみたいに

あっちこっちにおちる。

なかよくいっしょにおちても

風がいじわるする。

おかあさんのそばにいたいだろうになあ

地めんにおちると

ちゃいろになって

なくなってしまう。

どこにいっちゃうのかな。

ぼくはわからないけど

はっぱのおかあさんはしってるよね。

 

 

◆葉っぱが音を立てながら地面に落ちる。くっついたり、はなれたり、その様子は風のいじわるのようだととらえている目が微笑ましい。葉っぱの気持ちになって、家族のように心を通わせていると想像したやさしさが温かく感じる。

 

 



  初 冬 

      西馬音内小6年

 


赤いとりいのおいなりさんのいちょうの木

きのうまで、真っ黄色の葉をつけていたのに

昨夜の雨風に

まるっきりはだかにされてしまった。

 

てんてんとのこった実は、

さむさにおののいている

 

裏庭のかきの木の葉

一夜でどこかにつれさられてしまった

ジェット機か新幹線か

一枚乗り遅れたかきの葉が

はだかの木にしがみついていた

 

きのうまるはだかのポプラの木に

今日はまた秋がもどってきたかのように

すずめがいた

ものすごい大合唱である

もう雪が降るよと

雪の祭りの歌を歌っていた

 


◆いちょうもかきもそしてポプラも、木は生きのびるために葉を落とす。その定めを知ってか知らずか、葉っぱたちは風に身を任せ、季節とともに姿を消していく。動物たちはいつも声を上げながら、季節を過ごしていく。人間もまた。

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